Cloudflareの障害からインターネットについて考える
Cloudflareで障害が発生しました…
2025/11/18 20時45分ごろからCloudflareで大規模な障害が発生しました。
そのためにサービス自体は動いているのにブラウザで表示エラーとなる現象が発生しています。
Cloudflareとは…
そもそも、「Cloudflareって何をしているの?」と疑問に思った方も多いのではないのでしょうか。
Cloudflareを簡潔に説明すると、無料プランが準備されているCDN(コンテンツデリバリネットワーク:Contents Delivery Network)の1つです。
ウェブ全体でおよそ20%、大手企業のおよそ30%が利用されていると言われています。
Cloudflareを使用している主なサービスは多岐に渡り、Google、X、OpenAI、Discord、など多くの有名なサービスで使われています。

CDN(コンテンツデリバリネットワーク:Contents Delivery Network)ってなによ?
CDNなんて横文字を言われても全然ピンとこない方も多いともいます。
少し例を挙げながら簡単な説明をすると
例えば、通例、日本からブラジルにあるサイトを閲覧する場合、世界を半周しながらさまざまなサーバーを経由して、ブラジルのサーバーからデータを取得して日本まで運び、
最終的にあなたのブラウザに表示させます。

世界を半周してデータを持ってくるのですから、
・表示までに時間がかかったり、
・一部、データ(画像など)の配信ができなくて表示されないことがあったり
さまざまな問題が起こる可能性があります。
また、一説には、「サイトの表示に3秒以上表示に時間がかかると約半数のユーザーが離脱する」と言われています。
※ 過去は5秒以内と言われていましたが、最近はさらに短くなったようです。

これを解決するのが、CDN(コンテンツデリバリネットワーク:Contents Delivery Network)です。
自分の(会社などの)サイトのどこかの時点のデータのコピー(キャッシュといいます)を世界各地に配置しておいて
東京からアクセスする人は東京に近いところからデータを取得し、ロサンゼルスからアクセスする人はロサンゼルスに近いところからデータを取得する仕組みです。
データ取得までの距離が短くなれば、サイトの表示速度も速くなる、という訳です。
Cloudflareにはセキュリティに関するサービスも多くあるのですが、今回は割愛しますね。
CDN(コンテンツデリバリネットワーク:Contents Delivery Network)は万能ではない…!
先ほど、CDN(コンテンツデリバリネットワーク:Contents Delivery Network)は世界中のさまざまな場所にデータのコピー(キャッシュといいます)を配置する、と言いました。
これは、あくまで最終的に表示されるページをいろいろな場所に保存しておく、という意味合いなので、
例えば、ログインをして自分だけの情報を確認するクレジットカードのマイページやオンラインバンキングなどのサービスなどには向きません。
もし、ログインした後の情報が保存(キャッシュ)されてしまったら、個人情報があなた以外の誰でも見れる危険性がある、ということになります。

Cloudflareだけでなく世界的に使われているサーバー(大きなパソコンのようなもの)でも障害が起こることがある…!
2025/10/20 にAWS(Amazon Web Services)の北バージニア(us-east-1)リージョンで大規模な障害が発生しています。
サーバーとは、世界中にあるホームページを表示するためのインターネット上の大きなパソコンをイメージしてもらえるとわかりやすいと思います。
AWS(Amazon Web Services)とは、サーバーを借りて使った時間分(Webサイトを世界中に公開していた時間分)の利用料金を支払って自分のサイトをインターネット上に公開するサービスです。
これに障害が発生するということは、サーバーにアクセスができなくなり(そもそもデータを置いているサーバーが正常に動いていないので)、ブラウザからサイトが見れなくなることを意味しています。
今回はAWS(Amazon Web Services)の北バージニア(us-east-1)限定の障害だったようなので、AWS(Amazon Web Services)の北バージニアにデータを置いていたサイトは閲覧ができなくなったようです。
AWS(Amazon Web Services)にはさまざまなリージョン(サーバーの置いてある場所)があり、例えば東京リージョンなどにデータを置いていたサイトには影響はありませんでした。

実は、多くの企業や個人が、自分たちでサーバーを立ち上げて管理するよりも簡単なのでAWS(Amazon Web Services)などのサーバーレンタルサービスを利用しています。
自分でサーバーを立ち上げて、インターネット上から指定したアドレス(URL)で自分のサーバーにアクセスできるようにしたり、365日24時間エラーがでないようにサーバーを管理し続けるのはかなりの労力と費用が必要になります。
これは、かなり大変なのでみんなサーバーを借りることが多いのです。
インターネット上の障害とは、どこかで必ず起こるものです…!
人が絶対にミスをしないことがないのと同じように、インターネット上のサービスの障害もゼロにすることは不可能です。
限りなくゼロに近づけようと、世界中のエンジニアががんばって仕事(障害対策など)をしていますが物事に絶対はないので、障害が発生しても焦らないようにしましょう。

大切なのは、何かのサービスで障害が起きて使えなくなったときに、何か別の手段(他のサービスなど)で回避できることはないのか、自分たちで対応できるようにしておくことが大切なのかな、と思います。
そういう意味では、日本は地震大国なので、いつかくるかもわからない地震対策を日常的に準備しておくことに似ているかもしれませんね。
今のところ(11/19 0:30時点)では障害は解消できていないようで、Cloudflareの影響は世界的に大きいため、担当のエンジニアの人には「ワークライフバランス」を捨ててでも素早い解決をお願いしたいところです。
(働きすぎた分は、後日ゆっくりと休んで欲しいです)

