実在する警察署の電話番号が表示される詐欺電話が急増中…(おれおれ詐欺に遭わないために気をつけること)

インターネット上では、国際電話の番号を使う手口(末尾0110)がよく紹介されていますが、昨今急増しているのは実在する警察署の電話番号(都道府県警、警視庁など)が通話アプリで電話番号と警察署の名前が表示されるものです。

目的は金銭を騙し取るのが主なようですが、個人情報を渡すだけでも別の詐欺に使われる危険性があります。

まずは、こちらのリンクからTBS NEWS DIGの解説を見てもらうのがわかりやすいかと思います。

実際のところ、私のところにも同じような電話がありました。

実在する警察署の電話番号の場合、電話を受けたときに表示されている電話番号自体は正しいので(海外の番号とかではないため)とっさの判断がとても難しいです。

TBS NEWS DIGのインタビューでもありましたが、私の場合も「明確に否定する根拠がみあたらなかったために」ずるずると電話を続けてしまいました。

ただ、詐欺の典型パターンと言われるような怪しいと感じる点はいくつかあって、例えば

・SNS (LINE) への誘導された
・財産を聞かれた(預貯金の口座番号、残高、クレジットカード番号など)
・電話の後ろが騒がしい・別の人に変わると急に静かになる
・警察手帳を画像のみで提示してきた

などがあげられます。

※詐欺手法は日々アップデートされますので上記が絶対ではないことを認識してください

詐欺のシナリオがしっかりとしている場合は、何をさせるにもそれぞれについて理由をちゃんと説明されます。

例えば…

① SNS(LINE、など)への誘導する理由

→ 今回の事件でLINEが使われたため同じように繋がるか確認します
→ 〇〇での事件(遠くてすぐにいけない場所、愛知在住で東京での事件、など)今すぐ〇〇(東京)まで出頭できないのであれば動画で取り調べや資料提出をするため

② 銀行口座(口座番号、残高、クレジットカード番号)や財産を聞く理由

→ お金に関する事件(マネーロンダリング、など)のためお金の動きを詳細に把握する必要がある(これは遠隔の取り調べであると言われる)
→ 現在利用中の口座、クレジットカードが別の詐欺に使われていないか確認をするため詳細に言わないといけないと言われる

③ 誰にも連絡してはいけない理由

→ 極秘捜査、取り調べのため、誰にも会話が聞かれないところに移動するように誘導される
→ 秘密保持の約束をしないといけないため、こちらは誰にも話さないし、あなたも誰にも話してはいけない

④ 電話番号や所属を確認してもよいか確認をさせない理由

→ 表示されている電話番号はネットで調べれば〇〇署のサイトに記載されている
→ その番号にかけても極秘調査なので電話相手には繋がらないと前もって言われる

などがあげられます。

また、詐欺をするために電話をかけてきているので電話番号はもちろんのこと

・名前
・住所(過去に住んだ住所の場合もある)
・生年月日
・家族構成
・電話番号
・メールアドレス
・よくインターネット上で使うパスワード

などの情報などは、あらかじめ入手されていて実行犯は知っているという前提でいた方が良いです。

住所などを先に言われ、ずばりと言い当てられたと思ってそのまま相手を信じてはいけません。

詐欺実行犯が使う手口として

(返答を躊躇すると…)お前は怪しい、事件の関係者なんだろう、何か隠しているだろう、
(遠い警察署に…)今すぐ来れないなら協力しろ、すべての資金・口座が凍結されるぞ、
(疑いの目を向けると…)ちゃんと〇〇警察署の番号が表示されているだろう、これ以上疑う必要はあるか、

などが常套文句でした。

今のところ、主な手口としては、

・実在する警察署の電話番号を偽装表示し、資金移動などとして財産の確認や金銭を振り込ませる
・外出中に自宅の電話番号を偽装表示させて、身代金を要求する
・実在する警察署の電話番号を偽装表示し、子どもの携帯番号などを聞き出す

などがあるようですが、今後も新たなパターン・シナリオが作られることが予想されます。

実際問題として、警察が携帯に掛けてくることはありますし、自分から警察署に相談などの電話するときに自身の個人情報は伝えます。

また、通販などを電話で行う場合はクレジットカード番号やセキュリティコードを電話で伝えることもあります。

これはありえない、と判断することが難しいことは多くあります。

一般的に言われているように、名前や所属を聞いて、自分で調べた番号にかけ直して確認する、ようなとっさの判断は、実際その場に出くわすと容易ではないと思います。

また、かかってきた番号にそのまま電話をかけ直すことは(何も調べずに)、詐欺の電話番号に自分から掛けて、自ら詐欺に遭いにいくことになりかねません。

どこかで線引きをして、一線を越えたら誰かに相談するなりの対応をすることが必要になりそうです。

常に最新の情報を入手して、常に知見をアップデートし続けることは、正直とても難しいです。

今後、進化する詐欺に遭わないようにするポイントとしては、

① 個人情報や金銭に関わることは電話では話さない(公的機関や会社に自分から出向き対面にて行う)

② 脅し文句のようなことを言われたら、怯えるのではなく怪しむ

③ 全て新しい詐欺手法…ということはないので、既存の詐欺の傾向があれば怪しむ

④ 詐欺実行犯はこちらの情報をあらかじめ知っていると想定しておく

⑤ 偽装できないものはないと思っておく(メールアドレスやURL、電話番号など)

⑥ 自分の正しいと思う知識を正しいと思わない(絶対に安全なことなどはない)

⑦ 何か違和感を感じたら、自分自身の直感を信じる

詐欺であると確信がもてなくても、必ず何か違和感をもったら「まずは誰かに相談することを習慣づけることが大切だと思います。