未経験からITエンジニアを目指すには。
IT業界は「実務経験」が問われる業界です。
IT業界(インフラ、ソフトウエア開発を主とします)では、学歴はほとんど関係がありません。
履歴書の学歴、職歴よりも、IT業界の職務経歴書(実務経験○○年、どんなプロジェクトに(業種、プロジェクトの規模、人数)、どの役割、工程で、どのプログラミング言語、フレームワークなどを使ったか、など)が重要視される傾向にあります。
SES(システムエンジニアリングサービス)や転職活動においても職務経歴書の重要性はほとんど変わりません。
その代わりに、学歴(高卒、大卒)などはほとんど考慮されないといっても良いでしょう。
*高学歴ほど頭が固くて、仕事の覚えが悪い…と言われるとか言われないとか。
(そんな都市伝説を聞いたことはありませんが、、、)
あなたが学歴以外を武器に、新しい武器を手に入れて戦うのであればITスキルほど心強いものはありません。
まずは、Web上にある仕事募集の応募要項を見てみましょう。
未経験歓迎…と書いてあるところは少ないかと思います。
IT業界は、実力で勝負ができて、仕事募集も多いのに入り口が極端に狭いと言っても良いかもしれません。
実務経験不足で応募ができない…と諦める必要はありません。
これから足を踏み入れる業界のマーケティングはとても重要ですので、いろいろと眺めてみて「こんな仕事をしてみたいな」「こんなスキルを磨きたいな」と思い描いてみましょう。
将来の自分の姿が描けて、覚悟ができたところからがIT業界に入るスタートです。
「テスター」「運用保守」は仕事の流れを覚える入り口です。
まずは、システム開発の流れのおさらいです。
詳しくは、別ページに書いてあるので、参考にしてください。
システムを開発するには、左から順に工程が流れていきます。
*ウォーターフローモデル
簡単には、下記のようなイメージです。
何も知らない(未経験の)状態でこれを全て行うのはとても難しいので(ほぼ無理と言っても過言ではない)、未経験の方は最初に実務経験を積むと同時に「運用保守」や「テスター」としてプロジェクトに関わることで、仕事の進め方や業界のルールを体験するところから始められるとベストです。
近年、Youtube やプログラミングスクールなどプログラミングを学ぶ場所は多いですが、これは実務に関わっているわけではなく、アタマの中で理解できているだけで実務経験にはなり得ません。
重要なのは、プログラムを書けることではない!
プログラムを書くということは、決まったルールの中でコンピューターに命令を記すことです。
これは、書き方のルールさえ覚えてしまえば誰にでもできます。
昨今は、AI も発達していますのでルールを覚えればできることは重要視されません。
重要なことは「課題を見つける力」「課題を解決する力」です。
例えば、プログラムがエラーなどで正常に動作しない場合、
エラーの発見:課題を見つける力
エラーの原因調査、プログラム修正:課題を解決する力
となります。
テストがスケジュール通り進まない場合、
遅延の理由の調査:課題を見つける力
遅延を解決するための方策:課題を解決する力
となります。
システム開発の解は1つではない。
システム開発を進めるにあたり、様々な要因で以前の経験が役に立たないことが多いです。
以前の実務経験はアタマの中で真っさらにして、いったん忘れることも大切です。
- システム開発の主体となる会社が異なるため、開発の進め方の文化がちがう。
- 同じ会社内でもプロジェクトや部署によって、開発の進め方がちがう。
- プロジェクトによって、使用するフレームワーク、プログラム言語がちがう。
- 時代の流れによって、使用するフレームワーク、プログラミング言語がちがう。
など
参画するプロジェクトやによって、柔軟にプログラムへの理解を深める必要があります。
また、顧客、業態によってシステムの仕様も様々なので、その文化への理解も重要です。
「わからないことを素直にわからない」と聞けること。
前述した通り、主体となる会社、プロジェクトによって開発の進め方は全くちがうのですから、知らない、わからないことは恥ずかしいことではありません。
無知を隠すのではなく、より理解を深めるための糧とすることがよいと思います。
システム開発において、コミュニケーション能力は顧客と接渉する上でも、チームで作業を円滑に進めるためにも最重要項目になります。
それでも、職務経歴が重要であることに変わりはありません。
例え、スキルが不足していてもそれを補えるだけの柔軟さがあれば、基本的に問題はありません。
しかし、今までどのような経験をしてきたのかは、やはり重要です。
経験したことが、次のプロジェクトでそのまま通用することは稀ですが、
どんな課題を見つけて、それをどのように解決してきたか、どのくらいトライアンドエラーを繰り返してきたか。
それが、ご自身の大切な経験となります。
そのため、短期間(2-3ヶ月程度)でプロジェクトをコロコロと変わっていると、人柄やコミュニケーション能力に問題があるのではないかと疑われやすいので注意しましょう。
まずは足を踏み入れてみましょう。
最初の1-2年は、実務経験を積むための我慢の時期かもしれません。
その後、自分のやりたい方向性を見つけて、それに向かって進みましょう。
最初はテスターからスタートしても、
プログラマーやシステムエンジニア、プロジェクトリーダーなど立場が変われば楽しみも(苦しみも)広がります。
時代の流れによって流行は変わります。
チャレンジの繰り返しで、とてもたいへんですが、やり甲斐のある仕事です。
まずは、最初の一歩を踏み出して私たちと一緒に仕事をしましょう。
イラスト:ノーコピーライトガール